フラニーとズーイ



村上春樹訳のJ.D.サリンジャー「フラニーとズーイ」読了。

 学生時代に野崎孝訳の「フラニーとゾーイー」を読んで以来の再読。「ライ麦畑でつかまえて」を例外とすれば、これまでサリンジャーで面白いと思ったのは、ドタバタ的な場面設定で飽きさせない「大工らよ屋根の梁を高く上げよ」くらいで、名作との評価が高い「ナイン・ストーリーズ」も僕にはダメだった。

 が、今回「フラニー」を読んで、すんなりと頭に入った。これは村上翻訳によるこなれた会話文のおかげ。

 これに反して、「ズーイ」はユダヤ的な饒舌が鼻について長すぎる。というか、発表当時は斬新だったろうこの小説、明らかに古びてしまった。この作品で悩める知識人を気取っているズーイもフラニーも今はきわめてダサい。小説よりも時代が進んだ、そんな感じだ。
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