「リップヴァンウインクルの花嫁」



 岩井俊二「リップヴァンウインクルの花嫁」

 岩井映画ファンの僕だが、意外にも乗れなかった。岩井作品特有の若さゆえの尖ったような残酷さがない。この監督にしてはぬるいなあという感じ。

 しかしながら、Cocoが黒木華とウエディング・ドレスのまま寝そべって幸福の限界について独白する5分間にわたる俯角のワンショットと最後にりりぃが登場するシーンは圧巻だった。

 それから全体を通じて黒木華の演技はさすがだ。地味な顔立ちながら、ホテルでシャワーを浴びるシーンなど、おっぱいを見せるわけではないのにエロい。★★★☆☆
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「麦秋」

麦秋

 小津安二郎「麦秋」

 もし、日本映画のベスト・ワンを上げろと言われたら迷わず「東京物語」にする。けれども、個人的には小津の映画で一番好きなのはこれである。

 と言っても観たのは30年ぶり。それでも、いくつかのシーンは覚えていた。駅のホームで原節子の結婚相手が「チボー家の人々、面白いですね」と言うところ、東山千栄子の「いいんですかねえ」というセリフ、などなど。他の人にとってはどうでもいいと思えるところが印象的に残っている。★★★★★

「ニシノユキヒコの恋と冒険」



 井口奈己「ニシノユキヒコの恋と冒険」

 川上弘美の同名小説の映画化。女性にモテるが最後は必ずフラれてしまうニシノユキヒコの物語。ほとんど期待していなかったが、あにはからんや、かなりおもしろかった

 男が観る価値がない映画という評があるけど確かにそうかも。これはニシノユキヒコが女性と付き合ったことによる悲(喜)劇だ。女性は付き合うものではなくて愛でるものかもしれない。

 竹野内豊は見事なはまり役。尾野真知子もうまいなあ。ただ、風景描写に冗長なところがあるので★★★★☆

「スポットライト 世紀のスクープ」



  トム・マッカーシー「スポットライト 世紀のスクープ」

 えっ、これが本当にアカデミー賞作品賞?という印象。「これくらいの映画は昔なら普通にあった」と爺くさいことを言ってみたくなる。

 なんら伏線を張らず、"黙っていたけど実はこんなことがあった"、という風に真実が暴かれていく作風は、映画を見ている者には全然おもしろくない。アメリカ人にとっては教会の犯罪を暴くこと自体がショッキングなのかもしれないが。

 繰り返すようだけど、これがアカデミー賞ならヒッチコックの映画は全部作品賞だな。★★☆☆☆

「百円の恋」



 武正晴「百円の恋」

 安藤サクラの演技につきる。それ以外はしょうもない映画(或いは、すばらしい役者がグダグダの人物を見事に演じている)。

 自堕落な生活をしてきた32歳の女がボクシングに出会い心身ともに引き締まった人間になる。一度太っから痩せたのか、痩せていたときのシーンを先に撮り後から太ったのか、どっちだったのか気になる。★★★★☆

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気がつけばもはやアラ還。
そろそろ休みたくなってもきた、
いっこうに悟りそうもない男の日常。

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