「移動祝祭日」

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 ヘミングウェイ「移動祝祭日」読了

 作者のパリ滞在時代を描いたすばらしい回想記。エズラ・パウンドや、ロスト・ジェネレーションの名付け親であるガートルド・スタインなどの逸話も興味深いが、なんといっても白眉なのは後半の3章に登場するフィッツジェラルドだ。

 すでにアルコールに溺れていたフィッツジェラルドの描写は終始辛口だ。しかし、へミングウェイの主観という以上に、実際にそうだったのではないかと思わせる。フィッツジェラルドは自らの小説の悲劇を自ら演じているような。この作品に登場するスコット・フィッツジェラルドは「夜はやさし」のディック・ダイヴァーそのものである。
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「ヴァイオリン職人の探求と推理」

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 ポール・アダム「ヴァイオリン職人の探求と推理」読了

 ストラディバリを頂点とするヴァイオリン製作業界の興味深い知識が得られるし、主人公が単なる善人ではないところがいい。謎解きに重きが置かれてはいないものの、ミステリィとしてのレヴェルは高い。シリーズに期待するけど、まだ3作しかないので大事に読むかな。

「三国志演義」

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  「三国志演義」読了

 おもしろくないわけではなかったけれども、血湧き肉躍るというほどではなかった。小説というより語り物なので、あまり込み入ったことは述べられていない。それを文章で読むと単調な面があるといったところか。登場人物は次々と入れ替わるが、やっていることは皆同じ。

 それにしても、紙書籍にして2,700ページは長かった。

「失われた時を求めて」

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 2010年に第1巻が刊行され、9年をかけて完結した岩波文庫版「失われた時を求めて」。第14巻を読了した。これで井上究一郎訳、鈴木道彦訳、吉川一義訳の3種類の翻訳を制覇したことになる。

 僕の印象ではプルーストの原文の癖や読みにくさを日本語によく再現したのが井上訳。読みやすさに徹したのが鈴木訳。両者の訳を踏まえて、プルーストの原文に即しつつ読みやすい日本語に移し替えたのが吉川訳、といったところ。岩波文庫版は翻訳者の長年の研究成果に基づく注釈も充実している。

Photo: iPhone8

「三体」

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 劉慈欣「三体」読了

 おもしろい。ただ、三体人が登場する前までがよりいい。三体人の登場以後は物理学のうんちくで間延びするところもある。とはいえ、日本で出版されているのは全体の3分の1だから、今後どういう風に展開するかが楽しみだ。
 
 そして、訳文がいい。もとが外国語による小説とは思えないほど自然な日本語で読みやすい。名訳だと思う。
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Author:joyce
還暦をすぎ第二の職場に通う日々。自分では気を使っているつもりでも、妻からは自由人と言われている。

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